ためになるレコードせどり塾 ピンポンステレオ

 今回はしょっぱなからこのタイトルです。皆さんはこのピンポンス

テレオなる物をご存知ですか?今回はこのピンポンステレオを通して

初期のステレオ事情を見てみましょう!!

まずはそもそもレコードの音にはステレオとモノラルがあります。モ

ノラルと言うのは単一的な音、ステレオと言うのは立体的な音、更に

1970年代には、4チャンネルステレオなる物も存在しました。

それらはレコードの音溝に違いがあり、モノラル盤はV字の音溝が左

右並行なのに対して、ステレオは溝が左右独立しているため、音溝の

右側と左側それぞれ別な音が収録され、その溝を針がトレースする事

により左右別々な音を同時に拾う構造になったいました。更に4チャ

ンネルステレオに関しては、通常のステレオに加えてリアスピーカー

2チャンネル分の信号を追加し、4つのスピーカーによる立体的な音響

効果が得られるようにした方式で、これは針も専用のシバタ針を使用

しなければならなかったのですが普及せず、試作的な意味合いにオワ

タので詳細は省きます。なお針もステレオとモノラルでは異なってお

り(針先の角度が)、製品には箱にステレオがST、モノラルがL

P、SPレコードがSPと表記されてます。で、ステレオ針でモノラ

ルやSPレコードを再生させる分には良いのですが、モノラル針でス

テレオを再生させると、音溝を破損しレコードにダメージを与えるの

で要注意です。更にSPレコードは音溝も大きいためにSP針は先端

が太く、これで音溝が小さい塩ビ盤(LP・ST)を演奏するのもダ

メージを与えるのでやめておきましょう。

さてここからステレオの歴史ですが、そもそもステレオが世界一斉に

発売されたのが、1958年頃の事、この当時のステレオにはピンポ

ンステレオと言う物がありました。これは音がただ左右に動くだけの

センター定位の定まらない極端な左右分離した音で、卓球のピンポン

玉がラリーのように左右に動く様からピンポンステレオと呼ばれてい

ました。この製作背景としては、ステレオのオーディオ装置はモノラ

ルの装置の何倍もの価格がしたため、庶民が中々手が出せる物ではな

かった。(多分お金持ちとかそんな感じで50年代の普及率が何と

7%程)そのためステレオ装置を購入した人が、明らかにステレオの

音と解り、友人に自慢しデモるために、このように録音した。そして

もう一つはこの上記に伴ってなのですが、当時のステレオ人口が7%

と言う事は残りはモノラルしか持ってない訳で、当然モノラル盤の発

売が主でした。そんな中で、モノラル盤制作をメインにすれば、ステ

レオはその延長線上と言うか流用で、初期のステレオ録音用コンソー

ルは、「左用ミキサー」と「右用ミキサー」、要はモノラル・ミキサ

ー2台を合体した物でしかなく、又、片方のトラックにはバック、も

う片方にはヴォーカルやリーダーの楽器を収録。これをそのまま出せ

ばステレオ盤、ミックスすればモノ盤になるという具合だったのです。

で、日本ビクターから一番初めに発売されたステレオEP盤(と言うか

ビクターが日本で一番初め)がペレスプラードのマンボ盤でした。

↓私のコレクションから

ビクターの公式の記録にも「1958年(昭和33年)8月1日- 音楽部門、

日本初のステレオ・レコードを発売」ときちんと書いてあり、このと

きはLP・EP合わせて5枚発売されたのですが、番号SEP-1001なのでこ

れはその中でのEP1枚目。この時代はまだレコードプレイヤーそのも

のが珍しかった時代で、そんな時代においてのステレオ盤です。相当

に珍しいのは言うまでもありません。
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